ページ開設日 : 2010/4/1  最終更新日 : 2015/01/20

        自彊術memo   じきょう術メモ                                  
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「自彊不息」  易曰、天行健。君子以自彊不息。           
【読み下し】易に曰く,天行健なり。君子はもって自ら彊(つと)めて息(や)まず。
【意味】易経の言葉。天地の運行がすこやかであるように,君子も自ら努め励み,怠ることはない。
易経というのは古代中国の占いの書ですが,現代にも通じる含蓄の深い言葉が数多くあります。この言葉も不断の努力が大切ということですね。ちょっとひねった楷書でざっくりと書いてみました。 (2006年7月)
(上記は、多木洋一氏のHP「書を楽しむ法」から転載し、劈頭を飾らせていただいた。)

私が自彊術という言葉を知ったのは10年くらい前のことであろうか。
中井房五郎著「自彊術」
(発行所は中井自彊術道場)の中の動作図解の図を見ただけなので、詳しいことは分からなかったが、単なる健康体操ではないと思った。
芯があるというか、日本男児の気魄が籠もっているというか、心を惹きつけられた。その後、何冊かの本を読んで、ますます魅力を感じた。自彊術普及協会の教室に通って習い、自彊術は自然治癒力を高める素晴らしい健康法だと改めて知った。
本HPは自分のための備忘録である。

自彊術は、大正5年、香川県出身で手技治療術の天才といわれた中井房五郎(右写真)が多種の治療法を組み立て直して作り上げた治療体操である。
命名は、自彊術の普及に努力した十文字大元ジュウモンジダイゲンが上記の易経の一節からとった。(現十文字学園は妻の十文字ことが創立。)
余談ながら、「自彊不息」の字句は、明治41年の明治天皇の「戊申詔書」にもあり、当時、政治家、軍人が好んで揮毫した字句らしい。

     なお、自彊術普及協会のHPが非常に充実した。以下に参考項目を列挙させていただく。(2012/5/1)
     「自彊術とは」、「自彊術の概要」、「自彊術の31動作」、「自彊術の効用
     「31動とその医学的効用」、「自彊術の医学論文」、「自彊術の出版物



目次
  

 顔こすり
 足もみ
 自彊術 第1動〜31動
  付録 Reflexology
 自分でする 腹押さえ
 自彊術療法 十字路もみ
 自彊術療法 腕の療法


      【付録】 1.健康memo12/07    体のことmemo10/05

                




私は、毎朝、自宅で、上表の1.顔こすり、2.足もみ、3.自彊術第1動〜31動を40分ほど掛けてやっている。
その時、号令発声については、 ” 単に喉、声帯の運動のためでなく、各動作ごとに深呼吸(特に呼気)をすることになり、発汗作用も旺盛になる。
またハラの鍛錬に著しい効果があるので、力を込めてあらん限りの発声を、ハラの底から出すようにする。
号令は各動作の終わりにかけるので、動作が自分の限度(極限)までいったことを確認できる。これで締まる。”

教え通りに、私も力を込めて声を出すようにしている。
そのため、ご近所にご迷惑を掛けることにもなるので、朝6時半を過ぎてから行うようにしている。
その後、30分程度のスロージョギング(夏場はウォーキング)を心掛けている。
コレが私の毎日の健康法である。

その後、2011年夏から38℃台のぬるま湯に長時間(たとえば、2時間)入ることを始めた。
寝屋川の温泉・水春(特に長者の湯炭酸泉の39℃前後の露天湯がイイ)にしばしば行く。
自宅の風呂では、湯温を夏場は38℃、冬場は40℃に設定する。
夏場には、窓ガラスを外して隣接する公園の木々が見えるようにし、ガラス戸も開けて風を通す。念のため、電気蚊取りをセットする。蓋を半分閉めて机にする。
風呂場に持ち込むものは、タオル2枚、本、メモ用紙・ボールペン、ジョッキーに氷水+シークヮーサー果汁+リキュール;例えば、ライチ・リキュールのパライソ+ハッカ油を加えたもの。
なかなか快適である。お陰で、酷い冷え体質が改善され、癒し効果も相当にある。
(冬場は、なかなか遠ざかっているが。)

その後、 2011年08月31日放送のNHKの”ためしてガッテン”もみ出し&マッサージ ホントの実力大検証!で、指や腕、足、頭部をマッサージすると小さい動脈が刺激されて、血管が広がることを知った。
マッサージで動脈の内皮細胞を伸縮させると、血管を広げるNO(一酸化窒素)が生まれるそうな。
血管が広がれば血圧は下がるらしい。高血圧の専門家は「薬などと併用する補助治療としていい可能性がある」と控え目にコメントしていた。
そこで、湯に漬かりながら、指(1本ずつ握り、左右に回すようにほぐす。片手で1分ほど。)、
腕(掌全体を使い皮膚に押し当て、筋肉を骨に擦り付けるイメージで捩るようにほぐす。手首から肩にかけて2分ほど。)、
足(指や腕と同じ要領で捩るようにほぐす。足の指から太ももにかけて3分ほど。)、
頭(こめかみから額にかけて小さな動脈がたくさん通っているので、手のひらを使い、円を描くように押し当てる。)のマッサージを始めた。
これは、湯に漬かっている時間の有効利用とも言える。

健康になると、人間、自分勝手なモノで、健康を得るために費やす時間が惜しくなり、遊ぶ、人生を楽しむ方に時間を振り向けるようになる。私の場合、体が動く間(後、max10年か?)は、天気予報を見ながら、「旅」(主に、カヌー旅自転車旅)に出たいと思っている次第である。


本HP作成に当たっては、後掲の多くの「参考引用文献」のお世話になった。深甚なる謝意を表させていただきます。
以下に、文献2)の”近藤芳朗・近藤幸世「自彊術」改訂新版”から医学的効用等を引用転載した。

1.自彊術は、中井房五郎の按摩、マッサージ整体術から発している。
  この淵源を辿れば、中国医学の按キョウ導引術(アンキョウドウイン.キョウは足偏に橋の旁)にあるので、単なる健康体操ではなく治療術とも言える。
2.全身性をもっていて、筋力(エネルギー)をあまり使わない。そのメカニズムは全身の240の可動性関節が延べ1万数千回も動く。
3.特殊な深呼吸法。(エアロビクスでも吸うよりも吐くを意識するらしい。)東洋医学では5千年来、この呼吸法が神仙之術。
4.治療から出発したため、按摩、マッサージ、指圧の手技が随所に取り入れられている。叩打コウダ法、しっぴ法、指圧がそれであり、1人でやれる自己按摩。
5.皮膚の鍛錬も加わっている。免疫力の増大が期待できる。
6.精神統一的な心理作用は精神的ストレスの解消になる。



心臓・血管、呼吸器の働きは、大脳の自律神経の支配によるもので、自分の意志で動かせる体性運動神経の支配ではない。ところが呼吸だけは短い時間止めることができる。普通は1分以内で、海女は数分延長できる。
ヨーガの修行僧、行者はその数倍も息を止めることができ、脈拍まで止めて仮死状態になることさえ可能だそうだ。呼吸を自由自在に操作する訓練をしたのだ。
生理的にこれを可能にするのは、「呼吸筋の動きは自律神経の他に体性神経も行っている」すなわち、自律・体性神経の二重支配を受けているからだ。
5千年も昔から、この生体の秘密を知っていて、呼吸を自由に操作することによって、心身の調和を図っていた東洋の叡智には感服せざるを得ない。
なお、体性、自律神経の二重支配は、肛門括約筋、膀胱、尿道の括約筋にもあり、排泄行為の調節をしている。


【参考引用文献】
1)社団法人 自彊術普及会HP
2)近藤芳朗・近藤幸世「自彊術」改訂新版、朝日新聞社、2007.10.1
3)近藤芳朗・近藤幸世「自彊術療法」改訂新版、朝日新聞社、2007.10.1
4)久保穎子「健康を創る自彊術」小学館、1986.5.10 (久保穎子氏は近藤ご夫妻のご息女である)
5)久保穎子「かんたん体操!自彊術」PHP研究所、2005.7.8
6)NHKまる得マガジン「自彊術」(講師:久保穎子)日本放送出版協会、2004.11.1
7)(社)自彊術普及会「自彊術で若返る」ベースボールマガジン社、2007.10.25
8)「自彊術講習の栞」(社)自彊術普及会、2005.8.1
9)他彊術(背・肩)メモ(教室資料)
10)山田鍼灸HP
よく使うツボの取り方
11)五十嵐康彦「極楽!即効!足ツボ・マッサージ」廣済堂出版、2007.5.1



【なぜ、自彊術第1動で、下腹を抱え上げるのか?】
後藤新平の序が付いた中井房五郎著「自彊術」(中井自彊術道場、大正7年、第3版)が国立国会図書館の近代デジタルライブラリーの中にあった。
その中の興味深い一節を以下に引用し、自彊術紹介の一助としたい。
単なる健康体操ではない“万病克服の治療体術”である自彊術の一端が示されている。

◎ 下腹を引き上ぐる必要
世間往々健康増進法として、下腹部に力を入れて之を膨脹せしむる方法を行ふものあれど、其は一利ありて一害あるを免れず。
是等の方法を持続したる結果、或は脱腸に陥り、或は座骨神経痛を起し、或は腹膜炎症に罹る等の不結果に陥る人の少からざるを見て知るべし。
元来腹部は平素膨脹・垂下の場合多くして ( 歩行する時、高低を上下する時、重量ある物を持つ時、音声を発する時、其他行住座臥何れの場合に於ても、下腹に力の入ること多きものなれば、随つて膨脹下没を致さざるゝとは稀なり )
反対に之を引き上ぐること少なきものなるが故に、胃腸其他の臓器は共に次第に下没する傾向あるものなるを以て、常に専ら之を引き上ぐる方法を以て腹部諸器官の下没を防止する様心掛くるを要す。
是れ此自彊術に於ては「第1動」の如く、腹部を引き上ぐること(肩の上る丈けを標準として)を第一とす所以なり。

なお、後藤新平は、十文字大元と同郷で、板垣退助が岐阜で襲われたときの診察医師。関東大震災の時には内務相で、地震の5日後に「帝都復興院」を設置し、自ら総裁に就き、猛烈なスピードで復興案を練り上げ対応した。また、拓殖大学の学長時代には、校内に「自彊会」をつくっている。この序文で、病は薬に頼らず自分の治癒力で治せと書いている。






「公益社団法人 自彊術普及会」HPからの抜粋紹介

按キョウ導引術 :
  
「按キョウ」とは現在の按摩・マッサージ、指圧、カイロプラクティック、整体術などを綜合した手技療法と考えてよく、
  「導引」とは、呼吸法を兼ねた健康体操と思えばよい。現在中国では「気功」と総称している。

【自彊術の歴史】

1) 自彊術は大正5年(1916)、中井房五郎氏によって創案された日本最初の健康体操と治療術である。
当時の実業家十文字大元氏によって日本全国に宣伝普及され、実施人口300万と云われる程隆盛をきわめた。

2) しかし、十文字大元亡き後、氏に並ぶ大指導者が現れなかったこと、
戦後急速に進歩した欧米医学・医療等に幻惑されて世人が古めかしい健康体操などを見向きもしなくなったこと、
現代医学理論をもってこの体操の優秀合理性を解明する者がいなかったことなどから、この優れた体操は廃れてしまった。

3) 昭和40年(1965)、久家恒衛氏(93歳で1975年没)より自彊術を伝授され、
自他の難病の数々を治療した東京大学医学部病理学講師・教育学部保健体育科講師であった近藤芳朗医学博士の
医学的解明と同幸世夫人の正確な技術伝習によって再び世の視聴を集め、自彊術の復活をみた。

4) 昭和49年(1974)、十文字大元氏の令孫、小野田元氏を会長として自彊術普及会が設立された。

5) 昭和62年(1987)9月、文部省体育局より「社団法人 自彊術普及会」の設立が許可され、
正統自彊術の普及活動は一層活発になった。

6) 平成3年(1991)、近藤芳朗が第2代会長となる。

7) 平成11年(1999)11月、第2代会長近藤芳朗(享年83歳)の死去により、近藤幸世が第3代会長に選任される。

8) 平成14年(2002)9月、新本部道場が完成する。

9) 平成23年(2011)4月内閣府より認定を受けて、「公益社団法人 自彊術普及会」となる。

10) 現在、正会員618名、賛助会員数約52,000名、指導者として活躍中の師範6名、準師範24名
、奥伝免状取得者177名。    他の免状取得総数として中伝5,385名、初伝31,475名。
教室数約4,000、海外にも教室は2ヵ所ある。
                 (2012年9月30日現在)





















 【自彊術31動の図解】
 多分、上述の中井房五郎著「自彊術」をベースに大正時代に作られたと思われる『自彊術31動の図解』を下に示す。




























































































                      
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