B.眼科

1)緑内障

2010年3月15日(月)、中町眼科細隙灯サイゲキトウ顕微鏡検査(右写真)の結果、右眼の眼圧が30くらいあり、眼圧を下げる点眼薬チモプトールXE0.5%を出され、右眼に点眼開始。
(実は、2002年10月のY眼科での検査では、眼圧は右23、左21。その後、2006年9月には右28左25になり、キサラタン点眼薬を投薬された。1ヶ月後の06年10月の検査では、右18左17で、目薬の効果十分だねとYドクターは言った。)
2010年3月19日(金)、中町眼科で眼圧検査の結果、右眼の眼圧は許容ギリギリ(多分、20くらいか)に下がっている。でも、もう少し下げたいので、2週間後に、散瞳し、眼底検査を行うと言われた。
2010年4月6日(火):散瞳し、眼底検査。
2010年6月1日(火)、右眼圧20〜21。今回も、白内障で入れた眼内レンズ(を支えている眼の部位が老化で少し弱っているかも知れず、)が少しずれていると言われ、そのために眼圧が上がっている可能性もある。次回は視野検査を行う。緑内障は眼圧だけが問題でなく、視神経乳頭の陥没によって視野が欠けることが問題なので、視野検査が重要とのこと。もっともだ。


【眼圧検査】
検査の方法は次の3つがあり、いずれも数分以内で済む。
1)ゴールドマン眼圧計
細隙灯顕微鏡に眼圧計がついていて、角膜に色素をつけ、そこに眼圧計を密着させて測定します。現在、最も多く行なわれている検査方法。患者さんは腰掛けて台にあごをのせ、点眼薬で麻酔をする。
2)シェッツ眼圧計
仰向けに寝て点眼薬で麻酔し、眼圧計を角膜に当てて測定する。入院中などで横になった患者さんの検査に用いられる。
3)空気圧による眼圧計
圧搾空気を吹きつけて、角膜のへこみ具合によって眼圧を測定する方法。器具が患者さんの目に直接触れることはないので、麻酔などの必要がなく、30秒もあれば行なえる簡単な検査。定期健診や人間ドックなどでよく行なわれる検査方法。

【眼圧】
目の中には血液の代わりに栄養などを運ぶ、房水とよばれる液体が流れている。房水は毛様体でつくられシュレム管から排出される。目の形状は、この房水の圧力によって保たれていて、これを眼圧と呼ぶ。眼圧は時間や季節によって多少変動するが、ほぼ一定の値を保っている。
   
「房水」という液体は、毛様体から分泌され、隅角という部分から排出される。 しかし、隅角の部分が老化すると「房水」を排出することができず、眼圧が上がってしまう。これが「緑内障」の始まり。
自分の場合は、白内障の手術で入れた眼内レンズを固定し支えている眼の部位が老化で少し弱っているかも知れず、眼内レンズが少しずれているようだとの診断だった。確かに眼の老化は想定しうる。念のため、緑内障の検査は受けておこう。

【緑内障】
緑内障は、眼の圧力が上がることにより視神経(神経線維層)が傷つき、視野が徐々に狭くなってくる病気。今の医学では、点眼薬や手術などで病気の進行を遅らせることはできるが、一度失われた視野は元に戻らない。このため、早期発見・早期治療で、進行を止めることが重要。
40歳以上の20人に1人が緑内障を発症しているらしい。緑内障は徐々に進行するケースが多く、その為に気が付くのが遅れ、受診した時には病状がかなり進んでいることが少なくない。糖尿病、強度近視、加齢などで緑内障になり易いそうだ。


散瞳
白目の中央に黒目があり、この黒目の中央をよく見ると穴があいている。これが瞳孔。この瞳孔はカメラの絞りのようなもので、明るいと縮み、暗いと広がり、その直径は自動的に常に変化していて眼内に入る光の量を微調節している。
瞳孔は眼内を覗くことができる唯一の窓でもあり、眼内の網膜や視神系を直視するにはこの窓を経由する以外に方法はない。診察のためにはその窓はできるだけ広い方がよいわけで、江戸時代の眼科医にとっては、散瞳薬は夢の薬だったそうだ。シーボルトはこの散瞳薬とひきかえに日本地図を手に入れたという話もあるらしい。

眼底検査
眼底検査とは、瞳孔の奥にある眼底を、眼底カメラや眼底鏡という器具を用い、レンズを通して観察し、眼底の血管、網膜、視神経を調べる検査。網膜剥離や眼底出血、緑内障などの目の病気を調べるときに行なう。
なかでも、緑内障が疑われる人の発見が重要。日本人の場合は、眼圧が正常範囲内でも視神経障害が起こる「正常眼圧緑内障」が多いので、この病気を早期発見するためには、眼底検査における視神経乳頭の所見が決め手となる。
また、眼底の血管は人間の体の中で唯一直接に血管を観察できる部位のため、そこを観察すると動脈硬化、脳腫瘍、高血圧などの全身の病気が推察でき、生活習慣病の検査としても有効。

・眼底検査で何がわかるのか?
網膜の病気だけがわかるだけでなく、動脈硬化の進み具合がわかります。
眼底には脳へと繋がる視神経の出入り口があるので、脳内の血管の状態も推測でき、脳の病気の診断にも役立つ。高血圧や糖尿病による血管の変化を見るうえで欠かせない検査。

・眼底検査はどのような検査か?
眼底検査には次のような方法があります。いずれも散瞳薬を点眼して瞳孔を広げて行ないますが、最近では無散瞳カメラを使って検査する場合もあります。検査時間は数分で痛みはありません。

直像検査法
瞳孔に光を入れて、検眼鏡で眼底を観察します。約15倍に拡大できますが、網膜の中心部しか観察する事ができません。

倒像検査法
瞳孔に光を入れ、反射してきた網膜像を凹面鏡に映してみる方法です。網膜全体を見ることができますが、5倍くらいにしか拡大できません。

細隙灯顕微鏡による眼底検査
レンズの付いた三角錐の三面鏡に眼底を映し、それを細隙灯顕微鏡で観察する方法です。
眼底とその周辺まで、鮮明に映し出すことができますが、点眼麻酔が必要となります。

多くは直像検査法と倒像検査法をあわせて行ないます。いずれも、検査をしながら撮影する眼底撮影も行ないます。近年は、より精度の高い眼底三次元画像解析検査が一部の眼科医療機関で導入されています。

・検査結果の判定
網膜剥離がおこると青白く混濁して見え、さらに進行すると盛り上がり、しわ状に見えます。
糖尿病網膜症では、眼底の毛細血管瘤や血管新生、出血斑を認めます。さらに詳しく血管の状態を調べるために、蛍光眼底造影検査を行います。
緑内障が疑われる場合は、視神経乳頭が白くなり、陥凹を認めます。ただし、強度の近視の人にも視神経乳頭の陥凹がみられる場合がありますので、緑内障かどうかの診断は、視野検査、眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査、隅角検査などを行なって、それらの結果を総合的に見て行ないます。

・異常があったらどうするか?
網膜の病気が見つかれば、治療を行ないます。特に、眼底出血が認められた場合は、放置しておくと失明の恐れが強いので、至急の治療が必要です。高血圧や糖尿病で動脈硬化が進行していることがわかれば、生活管理を徹底して病気をコントロールしないと、危険な事態になりかねません。

・異常な場合に疑われる病気
緑内障、網膜剥離、糖尿病性網膜症、眼底出血、網膜色素変性症、眼内腫瘍、視神経萎縮、乳頭浮腫、脳腫瘍、くも膜下出血など

眼底三次元画像解析検査
視神経乳頭は、脳から眼球の中に入ってくる視神経が束状になっている部分で、赤味を帯びた円形として見られます。緑内障を発症すると眼圧でこの部分が押されて、「凹み(へこみ)」が大きくなり、白くなって見えます(視神経線維の数が減少している)。
しかし、従来の眼底検査は平面写真で診断するため、視神経乳頭の凹み具合の判定は、眼科医の技量・経験によって開きが生じるという問題がありました。
そこで、客観的かつ的確に眼底を診断できる手段として生まれたのが眼底三次元画像解析検査です。解析の方法には共焦点走査レーザー眼底鏡(HRT)、共焦点走査レーザーポラリメーター、光干渉断層計(OCT)の3種類があります。