仰木峠から大尾山へ


2001年11月23日(新嘗祭)、この日も全国的に快晴だった。
8:00前に自宅を出発。JR京都駅のホームで立ち食いうどんを喰らって、9:11発の湖西線に乗る。
車窓から真っ盛りの紅葉を何回も見て、雄琴駅に9:35着。乗降客も少なく静かで、こざっぱりした駅だ。

まずは、湖西道路・仰木雄琴ICをくぐり、雄琴川に平行して西に向かうメインロードを走る。
右手はニュータウンになっていた。(京都、大阪への十分な通勤圏だものね。) 
目指すスタート地点の仰木峠が前方、大比叡から北に延びてきた稜線の間に低く見える(左写真の中央、一番低いトコロ。9:55)。
今日は、あの峠から稜線を北(右)に進むのだ。(写真右端の鉄塔のトコロが大尾山だろう。)



昔からの仰木の集落は、雄琴川水系とその北の天神川水系の分水嶺になっている小さな丘陵上に広がっている。
干し柿が2階の軒先に3本もの竿で吊されているような、風情ある仰木の集落を抜けて上がって行くと、右手後方に見える料金所から横川中堂に向かう奥比叡ドライブウェイが前方を斜めに横切っている。
左手に行けば元三大師道との道しるべを見て右側にある小さなトンネルでドライブウェイをくぐり、天神川沿いに上る。

赤いトラクターで畑を耕していたオッちゃんを近景モデルに仰木峠を写真(10:32)に収め、峠への道を教わる。
お地蔵さんの先で林道が右に急カーブする。曲がったトコロから、仰木峠への山道があるとのこと。おおきに。


やがて滝壺神社・祭神クラオカミ(闇と雨冠に龍の字だった?)大神の案内石碑(10:43)が見え、横の道に鳥居があった。古い石段を登り、小さな祠にお参りした。



林道をさらに上がっていくと、お地蔵様が見えた。
その先に、「仰木峠登り口」と書かれた案内札が立てられていて、山道が付いていた(11:12)。


山林の道をバイクを押して進み、峠に着く(11:24)。





仰木峠573mから比叡山系北稜の主峰・大尾山(ダイビサン、別名:童髯山ドウゼンサン)681.4mまでは、水平直線距離で2キロ半。途中の尾根道に、670m(小野山)と662mの三角点がほぼ等間隔にあるが、二週間前の横高山・水井山コースに比べると、標高は低く傾斜はなだらかだ。
仰木峠からバイクを押して上がっていく。
稜線の右側は滋賀県で、林道が近くを走っており、伐採後のモミの苗木が育っていた。稜線の左手京都府側は大原の里の上になり、鬱蒼とモミの木が茂っていた。
下の左写真(11:34)は、南方向、仰木峠を振り返ったもので、中央下の赤い紅葉あたりが峠。遠景に逆光のため、うっすら写っているのは水井山だろう。
右写真(11:35)は、北方向、このヒノキの林をこれから進むのだ。




小野山への斜面の途中で、バイクを放り投げて休憩。空は青く澄んでいた。(11:53)

ところどころで、チョット・サイクリングが楽しめ、最初の三角点、小野山からのダウンヒルは快適であった。
サクサクサク、カサカサカサ。落ち葉の上を走るタイヤの感触を通じて秋を満喫した。


「休猟区」の標識があった。ここはうろついても安心なのだ。






大尾山の手前でルートは一旦、林道に降りて(12:25)いて、しばらく進むと林道工事中の工区終端(12:40)になった。

その脇から続いている山道に入り、本日の頂点を目指す。







大尾山の頂は東に開けていて琵琶湖・堅田方面の展望が楽しめる。
登山記念の木札がいくつも掛けられていた(12:56)。
ここから南西に進むと、音無滝を経て大原・三千院に至る。真西に下ると、京都大原ゴルフ場の南に出る。東側に降りる道もあるようだ。
山頂での昼食休憩後、北の尾根道を快適に下り始めた(13:25)。










すぐに送電鉄塔のある平地に出た。
左(西方向)に見えるは鞍馬の山か(下左写真、13:29)。
前方(北)には比良の蓬莱山?が見える(下中、13:28)。
ミヤコザサの路をゆっくり降りていった(下右、13:37)。





地図上で600mほど北の標高630m点の先で道が左に直角に曲がっていて、惑ったが、北へ入いる道を見つけ前進(右、13:56)。
ココからは、東・西・南・北に道があったのだ。


下りの急斜面をスキーのボーゲンのごとく脚を広げ(両靴のエッジを立てて)、ハンドル・ブレーキを掛けながら滑るように降りた(下左は途中で振り返って写す、14:02)。
林の東側には林道の向こうに紅葉が光っていた(下右、14:04)。



赤い紅葉(14:25)、黄金の紅葉(14:29)。



地図上のルートは北側に回っている林道に降りて終わっていたのだが、かすかな道が続いていそうなので、左の山側へ分け入った。
この辺りは特にホオの木が多く、大きな葉っぱを踏むと大きな音がした。

しばらく進むと、見るからにたくましそうなオバちゃんハイカーが一人でこっちへ来る。伊香立峠へ行きたいのだが、道が無くなっていたので戻ってきた。
もう1度一緒に付いていってもイイか?と聞く。 
実は2万5千1地図でも先ほどの林道から伊香立峠(地形図上は一応、峠になるが、判然とせず分かりにくい。峠名はハイカーの名付け?)までの道はなく、要注意、現地で検討と考えていたのだが、オバちゃんは真剣だ。
女性に頼まれては引き下がれない。前進する。そのうち、ヒノキを枝打ちした小枝が一面に広がる林に入り、道なんぞ見えず、特にバイクは進みにくい。
下りの傾斜は段々きつくなり、崖の如し。下からは沢の音が聞こえる。出口を求めながら沢へ少しずつ降りる。
オバちゃんは果敢に沢を渡って向こうの崖を上る。やがて道があったとのうれしそうな声。
了解、こちらゆっくり行くので、どうぞお先に行って下さいと応答。暫し息を整えて、バイクとともに落ちるように沢に滑り降りた。小さな沢の源流を渡る(15:25)。


ようやく細い山道に上がり、上流方向に進むと、雨が降れば川になるだろう道に出た。
少し上ると、すぐに下った。やがて舗装道路に出た。
「伊香立峠入口」と書いてあった(15:54)。ナンのことはない。今、通ってきたのが峠なのだろう、多分。

どうやら、峠の左側を通り越して、その先の沢(の始まり)に降りて仕舞ったようだ。(要確認)
林道を下り、静かなたたずまいの伊香立(イカダチ)の集落を経て、JR堅田駅に向かった。


今日のコースは割となだらかな縦走コースであり、雄琴駅からのアクセス道も落ち着いた静かな田園風景で大いに気に入った。
取り敢えず、次回は本日間違った伊香立の峠道を確認して、山道へのアクセス道を調べることにしよう。

今日とは反対に南方向に走る方が、ダウンヒルを楽しめそうだナァ。