万葉集の旅 予習メモ


下の表は、参考文献1)の万葉集時代区分(前期以前、前期、中期、後期)に則ってまとめてみた。(図は 参考文献3)による)


 前期以前    前期        中期            後期  (万葉集完成)

                
 前期以前  
   
   
   藤原京造営
 前期   宮廷歌人
    宮廷歌人   タケチノクロヒト
   
中期   
 
    宮廷歌人
    宮廷歌人  タカハシノムシマロ
 後期  
   

なお、上表の”宮廷歌人”は履歴不明の歌人のことで、万葉集にだけ存在するらしい。



               @  ↓仁徳天皇(16)・后:一

以下に示す”天皇の系譜”は参考文献3)による。


万葉集の内、
一番古いのは、仁徳天皇后磐の姫の歌(巻2頭)(左図、一)、5世紀。
次が、雄略天皇の歌(巻1頭)(左図、@)、5世紀。続くのが7世紀前半の舒明天皇(巻1)(左図、A)であり、100年空いている。
巻1巻頭の雄略天皇の歌は特別な歌と言えよう。
また、巻2においても、仁徳天皇后の次は、天智天皇時代の鏡王の歌(左図、二)であり、200年近く空いている。

なお、巻1は「雑歌」、巻2前半は「相聞歌」であり、雄略天皇、仁徳天皇后の歌は、それぞれの始まりのとして象徴的な歌としての位置づけである。
いずれも、万葉集時代の200年近く前から伝承されてきた歌であろう。




















   舒明天皇:A












大化の改新645
(後の天智天皇と後の藤原鎌足)

   鏡王カガミノオウキミ:二
近江京667 天智帝

飛鳥浄御原宮872 天武帝


藤原京遷都694 持統女帝


平城遷都710 元明帝









近江京667 天智帝


飛鳥浄御原宮872 天武帝


藤原京遷都694 持統女帝

平城遷都710 元明帝










平安遷都794 桓武帝






近江京667 天智帝

飛鳥浄御原宮872 天武帝

藤原京遷都694 持統女帝


平城遷都710 元明帝




















平安遷都794 桓武帝

万葉集における収録歌数は、持統朝以前のは少なく、持統朝を境に歌数が増えている。
このことから、万葉集の歌の実質的な対象は持統朝から始まるとみていい。
すなわち、冒頭の表に示すように、持統朝の頃が万葉集時代の前期と言えよう。

なお、万葉集の最終的な編纂時期は770年前後が通説であり、
巻20の末尾を飾る歌は、大伴家持759年(天平宝字3年)元旦作の
「新年乃始乃波都波流能・・・(新しき年のはじめの初春の今日降る雪のいやしけ吉事ヨゴト)」である。

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以下に、大和国地図および 近江国地図を参考文献2)から引用紹介する。








上空から見た太宰府政庁跡 from 参考文献1)


防人の通った道 from 参考文献3)



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【参考文献】
1)万葉集を読む :古橋信孝、吉川弘文館、2008/9/1
2)万葉集 (日本の古典を読むno.4) :小島憲之・木下正俊・東野治之、小学館、2008/4/30
3)図説・地図とあらすじで読む万葉集 :坂本勝、青春出版社、2006/7/10