三重県南部の海の旅 (古里→尾鷲)


 2001年8月16日、古里から尾鷲港まで漕いだ。外洋は台風11号の影響で少し波があった。




 S:古里を出艇


 鈴島に上陸


 ダイヤ岩の西を通過

 白浦を艇から眺める

 L:島勝浦に上陸、ランチ

 二又島から波高し

 (ただ漕ぐのみ)

 江戸鼻の沖を通過

 寺島を見て湾内へ


 G:尾鷲港スロープに着艇







三重県紀伊長島町の古里の山は一面みかん畑である。
その一角に従兄弟がセカンドハウスを新築中で、紀伊松島とも呼ばれる海が近くカヌーに絶好であるので、是非見に行こうと誘われた。
磯釣りが趣味の従兄弟は、このハウスにて自分が釣った魚と敷地で作る野菜で自給自足の生活を目指している。
私は彼のガレージを艇庫にすることを密かに企んだ。

【前夜】

古里海水浴場の北側に小さな流れ込みがあり、海とは水門で仕切られている。
地元の人の小船が水門の手前のコンクリートスロープで揚げられ、ノッパラに数隻置かれていた。
折畳式カヌーを組み立てて明日、尾鷲まで漕ぐと言うと、蜜柑屋のオッちゃんがココに案内してくれたのだ。
そして、カヌーは自分の船の上に置いておけばよいと言ってくれた。
海水浴客で賑わう古里温泉に入り、畑になる前の庭で二人だけのバーベキューの炭を燃やし、それぞれの今後を祝した。

【8月16日(木) 曇り】

朝6時に仕上げ工事前のハウスで目覚めた。
今日は、従兄弟は尾鷲のいつもの磯で釣り、私はそこまで漕いで行って尾鷲港でファルトを畳み、彼の車で一緒に帰ってくる手はずである。
夏空はなぜか曇っていた。
蜜柑屋のオッちゃんによると、台風11号が発生したけれど、まだ心配はない。
ただし、二又島のあたりでは(いつも)三角波が立つとのこと。

6:56 古里の水門を出艇。


進路は南、岸沿いに進む。
丸山島(左写真中央;7:08)の西を通過し、鈴島に向かう。
   (右写真は鈴島の北端と中央遠景に赤野島;7:33)







鈴島の西側ほぼ中央の浜で上陸(左写真;7:45)し、南の池(写真)を訪ねてから、北側にある祠(写真)にお参りした。

盛りを過ぎたハマユウがお盆であることを教えてくれた。







8:00に鈴島を立ち、南下を続ける。
ダイヤ岩(左写真)が前方に見える。
なるほど、大きなダイヤモンドが2つも海上に出ている。
(この岩は絶好の釣り磯だが、白浦からの渡船のみがOKとのこと。) 
やがて白浦が見えてくる(右写真)。9:00に白浦港外を通過。



島勝浦の全景(左写真;9:41)を眺めてから漁港に入り左手のコンクリートスロープにゆっくり着艇、上陸する(右写真;10:11)。
路地を歩いて、薄暗い小店でチキンラーメンとトマトを仕入れる。
愛艇を見ながら湯を沸かす。
小雨に見舞われ一時避難の後、いよいよ島勝浦を出て尾鷲へ向かった。






東に漕ぎ出すと、やがて二又岩(左写真の岩の群の間に見える遠景の岩;11:37)が見えてきた。
近づくと、波が騒ぐ(右写真;12:00)。

沖からやって来た波が岩の右側では北西方向の湾内に向かい、左のは断崖沿いに南方向へと別れていた。




二又岩を過ぎてしばらく行くと、波の騒ぎ(小さな三角波)は収まったが、沖からのうねりが結構ある。
江戸鼻(左写真;12:35)、その先に沢崎の島々(右写真;12:49)が見える。

沢崎あたりでは、波高2.5mくらいになった。



釣り人がいるはずの寺島に人影がない(左写真;13:07)。
尾鷲の湾内に漕ぎ入れた。

沖から来たタンカーが桃頭島の北を通り佐波留島(右写真;13:43)の手前で90度旋回して右に横切って行った。
ようやく、波が収まった。



佐波留島南西方向の磯に向かうが、釣っているはずの従兄弟はもちろん誰もいない。
携帯を入れると、波のため移動させられ、尾鷲港の一文字(防波堤)の外側の磯にいるとのこと。
湾を北西方向に横切って漕ぎ進むと、小さな磯(雀島)が見え、彼らしき姿が見えた。
釣れたかーと声をかけると、両手で丸を作った。釣れたという意味か、それとも坊主なのか不明。
見ていると数分後に1匹釣り上げた。慌ててシャッターを押したが、写っているかナァ。




尾鷲港防波堤にほど近い北側のきれいな浜に艇を着けた(左写真、背景は尾鷲の南の山;15:10)
小用を足した後、養殖筏が並んでいるのを左に見て漕ぎ、防波堤を越えて港北東端のスロープに着艇した。
(右写真、背景の煙突は中部電力三田火力発電所;15:36)

艇を畳み、従兄弟の車に乗せて古里へ。今日も古里温泉は満員だった。




【追記】

・TO-BEさんのアドバイスで調達したプリペイド方式の携帯電話(DoCoMo)は、今回役に立った。
防水ケース(てるてる坊水;\4800-)に入れたままで使えた。
蛇足ながら、私は携帯電話は持たない。プリ携はカヌー旅の時に利用し、(非常)連絡用である。

・今日1日、私はカヌーを漕いだだけだが、従兄弟はそれなりの釣果があり、生産性に大きな差があった。
翌日、サヨリの刺身と丸ハゲの煮付けを食った時にそう思った。

・台風11号は当日(16日)18時の天気図では、中心が北緯22度、東経140度付近にあった。
その後ノロノロとやって来て、5日後の21日に串本付近に上陸し本州東沿岸を北上、北海道まで行った。

・(今回は、海旅用にしているファルトPE−430をオーバーホールに出していたため、同じフジタのファルトSG−1に乗った。ラダーは付けなかった。)