A.天野川・ちょっとお散歩コース     


天野川は生駒山地に源を発し、交野市・枚方市を流れて淀川に合流する延長15kmの北河内の1級河川である。
この天野川の左岸に5kmのサイクリングロードを開発(?)した。新天の川橋から天野川緑地入口までの1.3kmだけは車も通る一般道であるが、交通量は極めて少なく快適なホームロードと言える。
このコースは、生駒山地北西部の交野(カタノ)へのアプローチロードでもあり、終点の大阪市大理学部付属植物園入口前の日の出橋は、ここから始まる多彩なコースの起点になっている。



【藤田川との合流点】

  延べ距離   区間距離
  ( 起 点 )   0.8 km




写真のように天野川(左)に藤田川(右)が合流するトコロが公園として整備された。広々とした芝生は明るさがあり、ヨーロッパ人の公園に寄せる気持ちが少し分かった気がした。
夕方には散歩を楽しむ人も多く、いろいろな犬にも出会う。


【藤田橋】

  延べ距離   区間距離
  0.8 km   1.1 km





拙宅から東に1.6km走ると、この藤田橋に着く。アクセスの最後は両側田圃の農道である。この田圃風景はいつまでも残ってほしいと願う。
写真は橋の向こう側(右岸)から撮っている。


川沿いにゆっくり走り、右手に川越小学校の校庭を見てスロープを上がると、新天の川橋だ。



夕刻の帰路、藤田橋50m手前の路上で亀さんに出会った。多分、天野川から上がりロードを横断して、田圃の方へ遊びに行くところだったようだ。写真を撮られてからは天野川の方へ早足に戻っていった。(2001/6/24)


鴨が写っている2枚の写真(左とその下の横長)は、2003年2月に撮った。

これらの写真でも天野川の白砂が分かると思う。
たとえば、同じ枚方市の船橋川や穂谷川と比べるとその白さが際だっている。
他の川は土の泥色であるが、天野川は多分上流の岩山が削られてできた白砂が絶えず供給されているのだろう。
また、伏流も結構多く、漉されて一層水がきれいようだ。

貝原益軒が「南遊紀行」の中で次のように述べている。
『天の川の源は、生駒山の下の北より流れ出で、田原と云ふ谷を過ぎ、磐船におち、私市村の南を経、枚方町の北へ出で淀川に入る。
獅子窟山より天の川を見おろせば、其川東西に直に流れ砂川に水少く、其川原白く、ひろく、長くして恰も天上の銀河の形の如し。
さてこそ此川を天の川とは名付けたれ。
それ此処より見ざるさきは、只天の川の流れの末ばかりをわたりて、古人の天の川と名付けし意しらず。
凡諸国の川を見しに、かくのごとく白砂のひろく直にして、数里長くつづきたるはいまだ見ず。
天の川と名付けし事、むべなり。』
(天の川七夕祭りの会発行の「交野ヶ原と七夕伝説」76pより引用)
納得する次第である。


なお、左の白砂の河原に見える黒い点は、鴨が1羽上がっているのだ。


【新天の川橋】

  延べ距離   区間距離
  1.9 km   0.7 km




左手の橋のたもとには、4体のお地蔵様が頑丈な鉄筋コンクリートの祠(車がぶつかっても大丈夫)に祀られている。
今は交通安全が一番願われているのだろう。

次の逢合橋との約中間点で、枚方市から交野市に入る。





堰のトコロに鴨たちが集合している。
遊んでいるのかな、それとも餌が多いのか。











【逢合橋】

  延べ距離   区間距離
  2.6 km   0.6 km





B.の交野山麓メインコースの中ほどで述べるように、交野市倉治には「織姫」を祀る機物(ハタモノ)神社がある。
そして、天野川をはさんで対岸の枚方市香里ヶ丘の中山観音寺跡(奈良時代創建の密教寺院で、南北朝期の戦乱により焼失し、廃寺になる。今は観音山公園)の「牛石」と呼ばれていた自然石を、いつしか牽牛に見立て、その中間に架かる橋が「逢合橋」と名付けられた。

花崗岩の「石」(左写真)は高台の東端すなわち天野川寄りにあり、昔は4km弱東の機物神社が天野川越しに見えたと思われるが、今は石に彫られた文字もとても判読できない。

この逢合橋(右写真は上流から撮影)で、その織姫と牽牛が年に一度、今でも七夕の日に逢い、合うそうな。





【天野川緑地入口】

  延べ距離   区間距離
  3.2 km   0.6 km





ここから天野川橋までの約1km、川沿いに緑地帯が整備されていて、気持ちがよい。
ブランコやすべり台で遊ぶ子供達、木を主材料に作られたフィットネス遊具で運動不足を解消するお父さん、木陰で話し込む高校生、夕暮れになると老夫婦の散歩、犬の散歩、みんなここが気に入っているのだろう。楽しそうだ。




 

  


【交野橋】

  延べ距離   区間距離
  3.8 km   0.3 km





交野橋の東に交野警察署があり、屋上のアンテナ塔はどこからもよく見え、格好の目印になる。

府道交野久御山線を渡るとロード右手に、ゲートボールのコートが3面あり、元気な声が聞こえる。





【JR鉄橋】

  延べ距離   区間距離
  4.1 km   0.1 km





京阪奈学研都市につながっていることから、片町線というローカルな線が「学研都市線」とカッコよく呼ばれるようになり、沿線の開発も進んだ。
さらに、大阪市内を地下鉄で横切る東西線が造られて、JR神戸線(東海道線)に直接乗り入れるようになって一層便利になった。

【天野川橋】

  延べ距離   区間距離
  4.2 km   0.4 km





ここで整備された緑地は終わるが、ロードはさらに川沿いの滅多に人影のない道を進む。

【私市橋】

  延べ距離   区間距離
  4.6 km   0.4 km





私市(キサイチ)橋を渡り、ここからは右岸を進む。

田畑の横を走るのはやはり気持ちがいい。

まもなく上流に本ホームコースの終点である落ち着いた緑色の日の出橋が見えてくる。
横に並んでいるアーチの水管橋が目印になる。


【日の出橋・市大植物園】

  延べ距離   区間距離
  5.0 km   ( 終 点 )





大阪市立大学理学部付属植物園は、駐車場がないせいもあってか、いつも空いていて快適である。
何となく少しアカデミックな(泥臭い)雰囲気もよい。
植物園の入口近くに大阪市の市章・澪標を、四季折々の花で現している。

「みおつくし(澪標)」 : 通行する船に水脈や水深を知らせるために目印として立てる杭。
水深の浅い河口港に設けるもの。
古来、難波のみおつくしが有名。(「澪(みお)つ串(くし)」で、「つ」は「の」の意の助詞。
後世は「みおづくし」ともいう。)(小学館・国語大辞典)