チョットずつ熊野古道 no.1


No.1 京都・下鳥羽(鴨川)〜枚方大橋(淀川) 07年3月31日    19km



左写真、鴨川の最下流の堰。下鳥羽小学校の真西にある。
画面右手は龍門橋。昭和13年に造られたもので、この堰で取水する農業用水の樋門を操作するための管理橋。
この堰の下から、熊野古道の舟旅に出発した。


右写真、昨日の雨で鴨川の水量は十分であった。






左写真、羽束師ハヅカシ橋が見えてきた。
桂川との合流点のすぐ下流に架かっている。


右写真、宮前橋。羽束師橋の3km下流に架かっていて、左方向に行くと、淀競馬場







左写真、前方に天王山が見えてきた。



右写真、正面は京滋バイパスの桂川橋。中央は天王山。







左写真、京滋バイパスの桂川橋をくぐると、天王山の全景が見える。



右写真、小さなビーチを見つけて上陸休憩。対岸には男山。
(上流に桂川橋が写っている。)






左写真、瀬音が聞こえてきた。チョット怖そうだ。
用心して、右岸に着艇し、偵察する。

右写真、右岸から見た瀬。
背景左は石清水八幡宮の男山。
河床に基盤岩が露出し、天然の堰になっている。
ココは、私の腕前のソロのファルト艇では通過は無理だ。
せめて舟だけでも流して、舟旅を続けることにする。




左写真、左岸は断崖に近く、着艇できるトコロは少ない。

大分上流側に艇を着け、手持ちのロープの長さ分だけ艇を流す。その艇を下流側の岸辺から捕まえて、またロープの長さ分だけ流す。
このような尺取り虫方式で艇を下流に流した。


右写真、何回も艇を流して、やっと瀬に近づいたトコロ。
(水の流れは緩いので、ココに最初に着艇することもできた。)




左写真、瀬の左岸側の最下流に赤い艇が小さく写っている。



右写真、瀬の下から上流側を写した。
瀬の左岸側は漕ぎ下れる感じだが、右に急回転するのが厳しそう。





【桂川・宇治川・木津川の三川合流】

京都府南部を流れる桂川・宇治川・木津川が順次合流し、淀川となる三川合流地は、北西の天王山と南東の男山に挟まれた狭隘な地形であるため、古来、京都市内へ通じる軍事上、交通上の要衝であった。
(右写真とも京都の自然200選HPより)

右写真の左が桂川、真ん中が宇治川、右の白い砂が目立つのが木津川。
(三川合流点を下流側から撮影)

天王山男山画 江戸後期(疋田家蔵)西から山崎地峡を眺めた風景画である。左手には天王山、右手には男山、中央には木津川に架かる淀大橋が見える。作者の林文波(1786〜1845)は大阪在住の画人である。





左図は、西から山崎地峡を眺めた江戸後期の風景画(林文波作)で、左が天王山、右は男山、中央には木津川に架かる淀大橋が描かれている。
(写真とも大山崎町HPより)




難儀した荒瀬は、ほぼ、天王山(270m)と男山(142m)を結ぶ線上にあり、どうやら、これらの山と連なる古生層の固い岩盤でできているようだ。

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下の2枚の地図は淀川資料館所蔵の「巨椋池変遷図」からコピーさせていただいた。(2010/9/27再撮影)

赤線は現在の河道(上から順に、桂川、宇治川、木津川)を、青色は当時の水域を示している。
左図は、文禄5年に秀吉の河川工事(文禄堤による宇治川と巨椋池の分離、文禄堤の築造、左岸連続堤の概成)が完成した時の水域図。
右図は、明治3年の木津川の付替、明治35年の宇治川の付替を経て、明治43年に「淀川改良工事」が完成した時の水域図。

右図の左端に、現在は河道内だが当時は桂川の右岸より外で水が流れていない白い部分がある。阪急京都線大山崎駅の南東部だ。
その白い部分が白いのは左図でも同様である。
すなわち、この白い部分は、昭和8年に完成したの「淀川改修増補工事」(三川合流点の導流堤、引堤等)で掘削されて初めて桂川となったのであり、昔は川でなかった。
おそらく、天王山に連なっている固い岩盤が水の流れに浸食されず、川にならなかったと推測される。



であるから、熊野詣の時代には桂川には今回遭遇した荒瀬はなく、舟運はスムーズに行われていた。
昭和8年に完成した三川合流・治水工事で、桂川の右岸の岩のトコロに川を通して、荒瀬が作られ、舟運が困難になったのだ。

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ともかく、昭和の荒瀬を、舟を流してクリアした。


左写真、荒瀬の下からリスタート。



右写真、画面左手から宇治川・木津川の合わさった流れと合流して、淀川となる。(高層建物は楠葉のマンション群)







左写真、合流後、上流側を写す。
天王山が立ちはだかっている。



右写真、大河・淀川をゆっくりと下る。






左写真、前方に枚方大橋が見えてきた。



右写真、枚方大橋左岸上流側の河川敷公園に着艇。

今日は山崎の瀬で疲れたので、ココで上がった。