ザ・ファルト 潮岬 を思い出して


今、2010年の正月である。
ぼつぼつカヌー漕ぎも卒業かなと思っている。
幸いなことに私の主立ったツアー記録はこのHPに纏まっているが、カメラを持参する前のツアーや
ある時期以前のクラブ・ザ・ファルトのツアーの記録が抜けていて、少し寂しく思う。

初めてのカヌーツアーであり、その後何回かザ・ファルトでも下った熊野川、故濱本治さんに朝靄の中を曳航してもらった湖東・水ヶ浜、
吉川稔さんにお世話になった小豆島一周(島の西崎博史氏からは毎年きれいな年賀状を頂いている。)、フェリーで帰ってきた四万十川、
畑利一さんに案内してもらった英虞湾、美しい宮川も畑さんの企画だったナ、京谷祐造さんに連れてもらった千代川から湖山池、そして
山陰海岸の何回かのツアー、門田久幸さんの四国三郎吉野川、岸本吉雄さんの湖西・安曇川(車のキー沈没事件)、大阪湾関空島、
由良川、古座川、「酒と泪と男と女」の故河島英五氏(およびサッカー少年だったご子息)と一緒に漕いだ長良川、・・・・

それぞれの思い出は私の宝物であるが、今でも強烈な印象が残っているのは、8年前のクラブ・ザ・ファルトで漕いだ潮岬である。
たまたま私が当番幹事であり、ツアーの案内ハガキの文書がパソコンの中に残っていた。


   THE FALT 2002年6月例会 ご案内
   南紀 周参見〜江住〜(潮岬〜)串本


  天候・海象に恵まれないと、潮岬は回らず串本の西岸着艇。  それもシンドければ、和深もしくは有田(有田川)上がり。

  【6月8日(土)】
  JR周参見駅下車、浜辺(300m。もし浜がまだ工事中なら    北側の周参見川河口・道路橋の下)に11時ごろ、集合。
  食料など現地調達OK。周参見川を越えるとスーパーあり。
  13:00 周参見 出艇。 稲積島、和深崎、三ッ石、黒崎、   沖ノ黒島と陸ノ黒島の間を漕ぎ、見老津の浜、漁港の沖を通り  江須崎(原生林がおおう周囲3kmの小島.暖地性植物群落  が多く国の天然記念物。根元のトコロに日本童謡の園あり。)  を経由し、江住に着艇、キャンプ。       約15km

 【6月9日(日)】
  8:00 出艇。三崎、JR和深駅沖、横島、田子駅沖、双島、   田の崎、引っ込んでいる田並駅・紀伊有田駅の沖を通過。    稲村崎を経て、串本海中公園付近の浜に上陸。昼食。      (ここまで約15km)
  条件がよければ、南下。潮岬の灯台を回り込んで、南向きの  大きな入江「浪ノ浦」の左奥に入り、防波堤の中の浜に着艇。  その後、大島大橋の下を漕ぎ、串本海上保安署脇のコンク   リートスロープに着艇。               約30km
  JR串本駅まで300mくらい。

  【参考】 天王寺 8:02
             ↓     運賃\3260- 特急\2190-
       周参見10:28


参加者は、奥田丘、奥野浩司、西野久二郎の3名で、天候は晴れだった。
2日間の行程はほぼ予定通りであったが、辿ったコースは、ザ・ファルトの通例で、上記案よりも沖合を直線的に漕いだ。

【6月8日(土)】

沖ノ黒島と陸ノ黒島の間を抜けることはせず、両島の沖合を進んだ。
夕刻近く、江住川とおぼしき川の西の砂浜に着艇、上陸。
江住は南紀の明るい落ち着いた集落であった。
テントを張って、焚火に火を点けると、奥野氏のハーモニカの音が静かに響き渡った。

【6月9日(日)】

2日目も少し沖合のコースを漕ぎ進め、昼前には潮岬に差し掛かった。
灯台を見ながら岬を回り込もうとすると、滔々と流れる潮に乗って艇はぐんぐんと引っ張られてゆく。
前方の海面との高低差がかなりあって、落ち込むように艇は進む。
3艇は岩礁を避けて、真っ直ぐ進むことに精一杯であった。
潮の急流を通り過ぎて、3人はほっとして顔を見合わせた。
2年前に回った時よりも、黒潮の流れが潮岬に非常に接近していたのだろう。
まさに、「”潮”の岬」であった。

予定していた浪ノ浦で休憩する間もなく、黒潮に乗って、一気にゴールの海上保安署前に着艇した。

帰路は奥田氏の車に便乗し、サッカーワールド杯で日本が初勝利を挙げたロシア戦の実況を聞きながら家路についた。