獅子窟寺の谷と山を歩く−10     獅子窟寺@・参道ルート


    南東に参道(尾根道)を上る。獅子窟展望台を通り、獅子窟寺まで。 延長 : 800m。






大きな配水タンクの前に右写真の寺標がある。
左に「獅子窟律寺」、右に「従是六丁」。

ココが獅子窟寺の参道入り口で、寺域まで約650m。
1丁(町)=60間=360尺=109m








左写真は歴史のある参道入り口だ。

昔からの鳥獣保護区である。











結構キツイ坂道を500m近く登っていくと、左手に安産地蔵が祀られている。首なしのお地蔵さまである。










五、四、三、二、一の丁石を見て、やがて寺域に入る。
結界に左写真の石柱があった。
「 聖武天皇勅願 行基菩薩開創
 役行者 弘法大師 修行之旧蹟 」

【行基菩薩】
聖武天皇の信任厚く特に743年東大寺大仏殿造立に当たって協力、勧進に努め、その功績により我国初の最高僧階大僧正に任ぜられ、天平元年大菩薩の号を賜る。


右写真は仁王門跡。(今は仁王さまは本堂に入っておられる。)





仁王門跡のトコロで、左の道を降りていくと、王の墓へ行く。(プロローグ参照)

また、右手には旧い参道が少し下っていく。左写真の左の上りが新参道。右の下りが旧参道。
右写真は旧参道の狭い崖道で、本堂前の石段の下に繋がっている。








新参道を上っていくと、左手に本堂が見えてくる。(左写真)


本堂左手の石段を登っていくと、獅子窟Aルートの三十三観音道に入る。









この石段を登ったトコロに、左写真の石碑が建っている。拡大すると、右写真のような梵字が彫られている。アビラウンケンという七文字の(退蔵界)大日如来の真言梵字だとのこと。

しんごん【真言】
(梵mantraの訳)仏菩薩などの、いつわりのない真実のことば。種々の異名があり、明(梵vidyaの訳)・陀羅尼(梵dhDra」Lの訳)・呪などともいう。明は真言のはたらきが無明煩悩を破するに比したもの、また身に現ずるものを明、口に説くものを真言陀羅尼という。陀羅尼は記憶の意で、真言はその記憶の方便となるところから、陀羅尼といわれるが、また真言の長いものを陀羅尼、短いものを真言といい、一字二字などのものを種子という。ただし普通は互いに混用する。呪はこれを誦するとき、霊験が現れるところからいう。
from Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shogakukan 1988






梵字碑の上に、左写真の男岩がある。東から西にそそり立っている巨大な岩である。

そして、男岩の真下に右写真の女岩がある。
この岩屋が獅子窟と呼ばれており、ココで弘法大師が修行されたと伝えられている。









左写真のように、岩屋の奥に弘法大師の小さな石像が祀られている。